### 2024年8月30日
台風が過ぎ去り、久しぶりに穏やかな朝を迎えた。昨日までの激しい風雨が嘘のように、今朝は青空が広がっている。台風が明けたことで少しひんやりとした空気が漂い、いつもよりも爽やかな気持ちで目が覚めた。
トイプードルのポコも、久しぶりの散歩に行くのが待ちきれない様子で、玄関先で尻尾を振りながら小さく吠えていた。台風の間は家の中で過ごしていたから、外の空気を感じるのが嬉しいんだろう。リードをつけると、ポコは勢いよく玄関を飛び出した。
外に出ると、地面にはまだところどころに水たまりが残っていて、空にはまだ少しだけ灰色の雲が漂っている。風はまだ少し強いけれど、冷たくはなく、むしろ心地よい。周りの木々は強風で葉を落としたのか、少し寂しげな印象を受ける。
散歩を始めると、ポコはいつもとは違う様子で、あちこちの匂いを一生懸命嗅いでいた。普段の散歩ではまっすぐに進むことが多いけれど、今日は風に乗って運ばれてきた新しい匂いに興味津々のようだった。彼にとっては、台風明けの世界が新しい冒険の始まりのように感じたのかもしれない。
道の途中で、ポコは一瞬立ち止まり、耳をピクピクと動かした。何か聞こえたのかなと周りを見回すと、風に乗って遠くから鳥のさえずりが聞こえてきた。ポコはその音を聞くたびに首を傾げて、不思議そうな表情をしていた。風の音と鳥の声の交じり合いが、いつもの散歩とは少し違う雰囲気を作り出していたのかもしれない。
普段と違うポコの反応を見ると、自然の変化に対する彼の敏感さを改めて感じた。私たち人間も、こうした小さな変化にもっと目を向けられたら、毎日の生活がもっと豊かになるのかもしれない。今日の散歩は、そんなことを考えさせられるひとときだった。