生物ろ過に使うろ材の種類を紹介。
ろ材の形状や特徴もさまざまです。
おすすめのろ材をその特徴から紹介します。
生物ろ過に使用するろ材も、リング状やボール状・キューブ状など様々です。
ろ材の種類も多くてアクアリウム初心者では、どんなろ材を選べばいいか迷ってしまうこともあるでしょう。濾材に悩むのは経験者でもよくあることです。
今回は、それぞれのろ材の形状の特徴や選び方はもちろん、おすすめのろ材も併せて紹介していきます。
そもそも生物ろ過とは何?
生物ろ過を理解しているからこその濾材選びだと思いますが、念のため生物ろ過について簡単に確認しておきましょう。
アクアリウムでは熱帯魚のフンやえさの食べ残し、水草の切れ端など放置しておくことでアンモニアが発生してしまいます。
アンモニアは熱帯魚などの生体にとっては有害な物質なので、いち早く水槽から除去したいものです。
アンモニアを物理的に水槽の外に出す(水換え)ことでも管理できますが、ろ過バクテリアによって有害なアンモニアを、より害の少ない物質に分解することができます。
このろ過バクテリアによって有害なアンモニアを、外の少ないものに変えていくのが”生物ろ過”です。
そしてろ過バクテリアが繁殖・住処としているのが”生物ろ過のろ材”なのです。つまりろ過バクテリアは”ろ材がなくては増えることもままならず、仕事も手につかない”といったことになります(;´・ω・)
生物ろ過のろ材に関する詳しい記事はこちらから
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生物ろ過【ろ材の種類】を紹介。おすすめろ材やろ材の特徴・選び方!
生物ろ過のろ材を形で分類
それではろ過バクテリアが棲み付くための、生物ろ過のろ材の種類を形状別で分類してみました。
定番のリングろ材
その名の通りリング状の形状をしています。これが基本的なタイプでありもっとも流通しているタイプでもあります。
なかにはリング内にも多孔質素材を組み込んでいるタイプもありますが、こちらもリングろ材の一種です。
中央に大きく穴が開いているため濾材を多く敷き詰めても通水性に優れているのが特徴のひとつです。
ボール状のろ材
ボール状のろ材とは、下の画像のようにボール状に作られたものです。
球状なので表面だけにしかバクテリアが繁殖しそうにないと思われがちですが、実際には内部まで微小な穴が入り組んでおり、内部までしっかりバクテリアが繁殖してくれます。
ボール状なので、リングろ材よりも隙間なくろ過槽に敷き詰めることができます。
キューブ状ろ材
ろ材がスポンジ様の素材で作られており、柔らかいのが特徴です。またスポンジのような素材なので物理ろ過も併せて機能することもできます。
そのため、ゴミやフンなどが多く出るような水槽で、物理ろ過と生物ろ過をどちらも効かせたいときに有効です。
生物ろ過のろ材!おすすめの選び方
3種類のろ材の形状や特徴などをあげましたが“どれが一番いい!”と断言することはできません。
どれも一長一短、特徴があります。どのように選べばいいのでしょうか。
ろ過バクテリアが繁殖できる面積で選ぶ
リングろ材とボール状ろ材、キューブ状ろ材。どれがろ過槽に隙間なく敷き詰められるでしょうか。
これはどう考えてもボール状ろ材とキューブ状ろ材ですね。
リングろ材は中央が空洞になっていますが、空洞の中に同じリングろ材が入り込むことはありません。そのためその空洞に濾過バクテリアが繁殖することはないのです。
しかしボール状ろ材やキューブ状のろ材は、リングろ材よりも隙間なくろ過槽に敷き詰めることができます。
つまりボール状・キューブ状のろ材を詰め込んだほうが、ろ過バクテリアの繁殖できる面積が広くなります。
ボール状ろ材とキューブ状ろ材ではボールのほうが多孔質素材でバクテリアも細かく、より多く繁殖できます。
キューブ状ろ材は目が荒いためバクテリアの定着量ではボール状ろ材のほうが勝っています。
濾過バクテリアの繁殖する面積だけで評価するならボール状ろ材が優秀です。
通水性を少しでも確保できるように、物理ろ過をしっかりできる環境にすることと、ろ材を無理に敷き詰めすぎないようにしましょう。
また、目詰まりする前に早めのメンテナンスを心がけましょう。
通水性でろ材を選ぶなら
ちょっと問題です。
【何も詰まっていないホースと小石が詰まっているホースがあります。同じ勢いで同じ量の水を流した時、水の流れがスムーズなのはどちらでしょうか…】
答えは… もちろん何も詰まっていないホースですよね。
フィルターの中を通る水にも、もちろん酸素やアンモニアなどが混じっています。
ろ過バクテリアを活発に働かせるには酸素が必要ですし、アンモニアの分解をしてもらいたいのならアンモニアの供給も必要です。
リングろ材では隙間が多いため通水性は良好です。酸素供給はばっちりできますし、分解してほしいアンモニアの供給もやりやすいのです。
一方でボールろ材を敷き詰めていると隙間が少ないため水の通り(通水性)がわるくなります。キューブ状ろ材も目詰まりしやすいですし、ろ材同士の隙間もほとんどないため同様です。
つまりボール状ろ材やキューブ状ろ材を入れたろ過槽では、バクテリアへの酸素供給が少なくなり、バクテリアの活動が悪くなりがちです。
これらの理由から、通水性の良し悪しだけで評価するならリングろ材のほうが優秀です。
早く生物ろ過を効かせたいときに
アクアリウム立ち上げたばかりのころは、ろ過バクテリアも少ないので水質が悪化しがちです。
できるだけ早急にろ過バクテリアを繁殖させてろ過を安定させたい時期もありますよね。
そんな時にはキューブ状ろ材がおすすめです。目があらいので通水性がありフンもキャッチできます。
つまりろ過バクテリアが増えるためのアンモニアの供給も、通水性による酸素の供給も充分に得やすいのです。
物理ろ過を兼ねることもできるキューブ状ろ材は、早く生物ろ過を効かせたいときに有効です。
ろ過能力を維持したいなら?
生物ろ過のろ材も定期的なすすぎ洗いが必要です。しかしそこで問題になってくるのが【すすぎ洗いによるろ過バクテリアの減少】です。
ろ材の微小な穴に棲みついているとはいえ、すすぎ洗いをすればどうしてもゴミも取れれば濾過バクテリアだって減少してしまいます。
濾過バクテリアの減少は生物ろ過の弱体化に直結してしまいます。
ボール状ろ材はリングろ材に比べると、どうしても隙間が少ないのでゴミやフンなどが隙間に詰まりやすくなりますね。
その目詰まりを解消するにはすすぎ洗いをするしかないので、ボール状ろ材を詰めているほうがメンテナンスの頻度が多くなります。
つまりボール状ろ材のほうが生物ろ過が弱体化する機会が多くなるので、ろ過能力をいじしたいという点で見ればリングろ材のほうが優秀です。
また、キューブ状ろ材は目が荒いためすすぎ洗いのときに濾過バクテリアも流れやすい特徴があります。この点からもリングろ材が優秀と言えます。
耐久性で選ぶ
耐久性ならリング状よりもボール状のほうが割れにくい特徴があります。壊れにくいという選び方からすればボール状ろ材のほうが優秀です。
また、キューブ状ろ材は柔らかいため圧迫などで潰れてしまうこともあります。キューブ状ろ材のメリットでもある通水性は、潰れてしまっては台無しです。
そういった点からも耐久性を形状から選ぶならボール状ろ材でしょう。
効果的な生物ろ過には水流・酸素が重要
記事をここまで読んでもらえていれば、すでに理解してもらっているとは思いますが、効果的に生物ろ過を効かせるには水流・酸素の供給が重要です。
バクテリアの定着できる面積が広くても、酸素の供給がなければバクテリアの活動は低下しますし、下手すればバクテリアの死滅にもつながります。
私達だって、どんなにきれいで広い家を与えられても、電気・水道・ガスの供給をしてもらえないのであれば生活ができませんね。
濾過バクテリアにとって通水とは、私たちでいうインフラにあたると考えます。
これはボール状とキューブ状を否定しているわけではありません。ろ過バクテリアが繁殖できる面積が広いというのはとても魅力的だと思います。
広い面性に繁殖したろ過バクテリアを効果的に効かせるためにも、通水性を保てるようなろ材の入れ方や、定期的なメンテナンスが必要だと思うのです。
生物ろ過のろ材交換のタイミング
生物ろ過のろ材はメーカーの述べていることを鵜呑みにすれば、半年ほどでの交換をするべきのようです。
とはいえなかなか半年ごとにろ材を交換をしているアクアリストはいないのではないとおもいます。
現実的に生物ろ過のろ材を交換するタイミングとはどんな時なのでしょうか。
生物ろ過ろ材が壊れてくる時期
ろ材の耐久性について前述しましたが、硬いリング・ボール状ろ材もいずれは型崩れ・壊れていきます。2年も使えば表面がざらざらと、素材が崩れてきているのを実感できることもあると思います。
ろ材が壊れてくると欠片がモーター内で絡んで故障したり、モーターの動きが止まったりすることもあります。
そのようなろ材が出てきたときには交換を検討したほうがいいでしょう。
水質に変化が起きてきたとき
ろ材の中には生物ろ過を効かせるだけではなく、phを上げたり下げたりする効果を持つものもあります。
phが変わってきたりする場合はろ材の寿命のサインかもしれません。とはいえ形状が保てている・壊れていないのであれば交換するのももったいないですね。
phを上げたいときは牡蠣殻やサンゴ砂などでも可能ですし、phを下げたいのであればソイルを使用することでも可能です。
どうしてもろ材の力でphを調節したい場合は、phの変動時期がろ材の交換時期にあたるでしょう。
生物ろ過ろ材はウールが最強説は本当か?
物理ろ過に使われるウールマットでも、繊維の隙間などでろ過バクテリアが繁殖・定着できるということは知っていると思います。
たしかにアクアリストの中には“ろ過槽にはウールマットしか入れてない”という人もいますし、なかには“ろ材はタオルだけ”という方もいるほどです。
それは嘘ではなく、その方々はその方法でうまい具合にアクアリウムを維持できているのでしょう。
かといって、それが【最強】かと言われればどうでしょうか。
ウールマットは確かに繊維の細かい隙間だらけなので、生物ろ過を効かせるのには充分なろ材だと思います。
しかしゴミなどを濾し取ることに適しているろ材なので、目詰まりのしやすさも最強でしょう。
前述したように目詰まりは濾過バクテリアへの通水性を妨げるため、効率的にろ過ができているかは疑問です。
最強と言われると気になってしまうものだとは思いますが、何をもって最強とするのかも疑問ですし、自身のアクアリウムを維持できるろ過環境さえあればそれでいいのではないでしょうか。
形状ごとのおすすめのろ材を紹介
最後になりましたが、それぞれの形状でおすすめのろ材を紹介しておきたいと思います。
おすすめのリングろ材
リングろ材の種類も豊富ですが、どれもなかなかお値段が高いのが残念な点です。
これまでいろんなリングろ材を使用してきましたが、どのリングろ材を使用してもとくにアクアリウムの維持に大きな変化はなかったように感じます。
私個人の感想ですが、【高いのも安いのも同じ】といった印象です。
そんなところで、安くてしっかりアクアリウムも維持できる、コスパの優れているというとこでおすすめなのが以下のろ材です。
ろ材のサイズも大きいものがあります。Sサイズで小さすぎると感じたり、通水性を重視したいならMサイズなどでもいいでしょう。
おすすめのボールろ材
じつはボール状ろ材は私は使ったことがないため、実体験からのおすすめではありません。
ボール状のろ材の中では、利用しているアクアリストが多いことと口コミ・評価が他と比べて良いのがまずおすすめの点です。
また、ほかのボール状ろ材と比べると値段が安めなので、コスパという評価として、アクティブボールをおすすめしています。
おすすめのキューブ濾材
キューブ状のろ材を使うときのおすすめのシーンとしては、アクアリウム立ち上げてすぐの濾過バクテリアが少ない環境であることを前述しています。
つまりいち早くろ過バクテリアの効果を得たいわけですね。ろ過バクテリアの効果を早く得たいのであれば、ろ過バクテリアが定着しているろ材を利用するのがいいのではないでしょうか。
濾過バクテリアが繁殖するのも一か月以上はかかりますので、あらかじめろ過バクテリアが定着しているろ材であれば安心して使うことができそうです。
おわりに
今回は生物ろ過のろ材に関することを一般的なことから、私の経験から得たことまで絡めて紹介してきました。
記事を読んでもらって感じたかもしれませんが、正直なところ、私はリングろ材一択です。
【元気の少ない大量のバクテリア】よりも、【めっちゃ元気なそこそこの量のバクテリア】のほうがろ過能力が高そうな感じがしませんか(;^_^A
長い記事になってしまいましたが、おわりにザザッとまとめておきましょう。
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➀通水性重視ならリングろ材!
➁バクテリア繁殖面積で選ぶならボール状ろ材!
➂できるだけ早くろ過バクテリアの効果を得たいならキューブ状ろ材!
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