水草の種類は育て方で2種類に分かれます。
水上葉は水上で育てた水草。
水中葉は水中で育てた水草。
それぞれに違った特徴やメリットが!
水草を購入するときに水上葉なのか水中葉なのかを意識したことがありますか?
どちらが優れていると一概に言えませんが、どちらもそれぞれに特徴があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
今回は水中葉と水上葉の違いや特徴、メリットやデメリットをいろんな面から解説していきます。
画像付きで解りやすく解説していくので、ぜひ一読してみてください。
水中葉·水上葉とは
まずは水中葉・水上葉とはどんなものなのか、基本的なことから解説します。
水中葉の特徴。水中葉はどんなものか
水中葉 は水上葉とは違って 水中で育成されたもの をいいます。
つまり、普通に水槽などで育成された水草です。
もともと水中で育成されているので購入・植栽してからの成長速度がはやく、初めから水中葉なので枯れるリスクが少なく、レイアウトにすぐに使えます。
水槽に水草を入れて育成しているものもたくさんあると思いますが、それらが水中葉です。
水上葉の特徴。水上葉とはどんなものか
ショップなどで販売されている水草の多くは水上葉です。
水上葉とは 水草でありながら、観葉植物と同様に 水上で育成されたも のをいいます。
全ての水草が水上育成できるわけではないのですが、多くの水草が水上での育成が可能です。
水上で育成された水草と水中で育成された水草では形・見た目が異なってくるものが多く、同じ種類のものとは思えないようなものもあります。
例えば下の画像は右と左では全く違う種類の植物に思えますが、左は水上で育成した水草で右は水中で育成した水草です。
水草と言われるもの全てが水上で育成できるわけではありませんが、水上で育成・増殖させたものを水上葉と呼んでいます。
ちなみに上の2つの画像ですが、どちらも同じ“ハイグロフィラSP”の画像です。
同じ種類の水草ですが、水上葉と水中葉でこんなにも違いが出てくるのも特徴のひとつです。
他にも下のように水上葉と水中葉では外観が全く違う水草もあります。
水中葉のメリットとデメリット
水草なら水草らしく水中で育成させればいいというのが一般的な考え方かもしれませんね。
水草を水中で育成することのメリットやデメリットを紹介します。
水中葉のメリット
まずは水中葉のメリットから見ていきましょう。
植えた後枯れにくい。すぐに使える。
水中葉はもともと水中で育成されているので、植え替え後の環境の変化も少なく 枯れにくい というメリットがあります。
初めから水中葉なので、葉や形の変化がほとんどないため、レイアウト水槽にすぐに使うことができます。
植え替え後の育成が早い
上記と同じような視点かもしれませんが、水中で育成されたものが別の水中に移るだけなので、適応が早く、 育成も早く なります。
水中葉のデメリット
次に水中葉のデメリットを見ていきます。
水草が弱っている可能性も
水草は水中で育ちますが、私達が購入する時には水中から取り出され、湿らせた新聞紙などにくるまれて輸送されることになります。
水中に合ったものが水から引き上げられて、空気中を長時間輸送されるのは大きなストレスがかかります。
水草もストレスがかかりすぎると弱ってしまい、私たちが植えるころにはさらに弱っているということも否定できません。
スネールのもちこみのリスクも
水中葉は水中で育成させるため、天然のスネールの卵が水草に付着していることもあります。
卵が水草に付着していると、スネールを水槽内に持ちこんでしまうことにもなりかねません。
とくにスネールの繁殖能力は高いので、発見したら早期に対処しましょう。
水上葉より高価なことも
水上葉に比べて育成スピードが遅いため、大量に育成することができないためコストがかかってくることがよくあります。
また、水中育成の場合は太陽光を直接あてることなく、照明やCo2の添加が必要となります。
それだけ育成・生産コストがかかることからもどうしても 高価 になってしまいがちです。
水上葉のメリットとデメリット
それでは次に水上葉のメリットとデメリットを紹介します。
水上葉のメリット
まずは水上葉のメリットから紹介します。
丈夫に育つ
人工的な照明ではなく、自然の太陽光をしっかり浴びることができます。また、
水中とは違って浮力がないため、重力の影響をモロに受けることになります。
そのため、茎は水中葉よりも太く大きくなり、葉っぱも大きく展開するものがあります。
入手するまでのダメージが少ない
水中葉と違って、水上葉はもともと空気中で育成されているのでショップへ輸送される最中も環境の変化が少ないものです。
そのため、私たちが入手するまでのダメージが少ないというメリットがあります。
スネールの持ち込みのリスクが少ない
もともと水上で育成されているため、育成段階でスネールが付着・産卵することなくショップに入荷します。
ショップの水槽でスネールがいる場合はスネールや卵の付着のリスクがありますが、ショップがしっかりと管理をしていればスネールが入り込むことは少ないので、スネールの持ち込みのリスクが少なくなります。
水中葉よりも安価
前述したとおりですが、水上葉の育成は水中葉として育成するよりも手間もコストもかかりません。
そのため比較的安価に入手できるものもあります。
水上葉のデメリット
それでは水上葉のデメリットをチェックしていきます。
水上葉が水中化するのに時間がかかる
水上葉を水中に植えても見た目が変化したり、枯れたりすることがあります。
水上葉が水中化するのには数日・数週間かかるので、レイアウトに馴染んでくるのには 時間がかかります 。
見た目が変化する
水中葉と水上葉では外観・見た目が違うことは前述したとおりです。
すべての水上葉の見た目が大きく異なるわけではないので一概に言えませんが、見た目が変化するためそのままでは使うことができません。
上の画像はキューバパールグラスの水上葉です。なんとなくキューバパールグラスに似ていますが、実際に近くで見るとなかなか違いもあって面白いものです。
差し戻し・植え替えが必要
水上葉が水中化してくると新たな新芽や根が出てきます。
そのうち水上葉は枯れてくることもあるので、水中葉部分をトリミングして差し戻し・植え替えが必要となることがあります。
なぜ水上葉で売られているのか
水草がわざわざ水上葉で売られているのには理由があります。
前述した部分がありますが、水上葉のほうが育成コストがかからず丈夫に育ちます。
また、工場・栽培所からショップ等へ出荷するのにも水上葉のほうが傷みにくく、管理も容易なため水上葉として育成・販売されることがあるようです。
水上葉からの水中葉への成長
水上部分が枯れて水中葉が出るタイプと、水上葉の先から水中葉が出てくきたり、脇芽として水中葉が出てくるなど、いろんな水中化の過程があります。
水上葉は水中に適した葉ではないのでいずれ枯れてしまいます。
水上葉が枯れるまえに水中葉が伸びる・成長をしたら、水中葉の部分をトリミングして差しなおす・植えなおすといいでしょう。
水上葉の水中化ができないことも
全ての水草が水上化できるわけではないことは前述しましたが、水上葉がすべて水中化できるとも限りません。
基本的に水中化することは可能ですが、これまで太陽光を浴びて空気中から二酸化炭素などを吸収していた水上葉です。
そんな水上葉が突然水中に投げ込まれ、太陽光が人工照明となり、空気中の二酸化炭素の吸収が水中からの二酸化炭素の吸収となります。
このような大きな環境の変化に耐えない・適応できずにうまく水中化できない水草も出てきます。
水中葉を水上化することも
水中葉が水上葉として育成・増殖されているということを言いましたが、これは敷居の高いものとは限りません。
キューバパールグラスやロタラなどの水草は水上葉として急速に増殖させているアクアリストも多いものです。
余ってしまった水草などは水上化して増やし、自身で使いたいときに水中化させたり、知り合いに譲ったりということもできます。
おわりに
水草の種類の分類で水中葉と水上葉のふたつに別れることは理解してもらえたのではないかと思います。
どちらもメリット・デメリットがあるので一概に【コレガイイ!】ということはできませんね。自分のアクアリウムスタイルで使いたい水草を選んでみましょう。
ショップや通販で購入する時には、その水草が“水上葉なのか水中葉なのか”というところくらいは確認をして購入するようにしましょう(^_-)-☆
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