水合わせはお迎えした熱帯魚を安全に飼育するための基本作業。
水合わせのやり方にもいくつか種類があります。
自分に合った・熱帯魚に合わせた方法で水合わせを!
水合わせとは購入・お迎えをした熱帯魚や生体をより安全に・低ストレスで水槽に入れるための作業のことです。この水合わせにもいろんなやり方があり、お迎えする生体の種類に合わせて水合わせ方法を変えたほうがいいこともあります。
今回は水合わせのやり方・方法を初心者の方にもわかりやすいように文章はもちろんですが、動画もつけて解説しています。せっかくお迎えした熱帯魚をより長く飼育・鑑賞できるように水合わせの方法をしっかり押さえておきましょう。
そもそも水合わせとはなんなのか
まずは基本的なことですが、「水合わせとは何ぞや?」というところを解説したいと思います。
水合わせの必要性について
水合わせとはお迎えする熱帯魚をこれから飼育する水槽の水質に慣らしていく作業のことです。同じ”水”とはいってもショップでの水温やphなどが自分の水槽と同じとは限りません。
私達でも暖かい場所から急に寒い場所に移動すると血圧の急激な変化などで体調を崩すなど指摘されていますよね。熱帯魚にとって水温やphなど水質の異なる場所に急に移されるのは体調を崩してしまう原因になるのです。
ショップから家まで袋の中でジャバジャバかき回されながら到着するだけでかなりのストレスがかかっています。通販ならなおさらでしょう。そんなストレスがかかったうえに急な水質の変化が加わればダブルパンチでノックアウトのリスクが高くなります。
そんなトラブルを予防するために水温やphを少しずつこれから入れる水槽の水質に合わせていくのです。
水合わせのポイント・注意・意識したいこと
前述したように熱帯魚にストレスをかけないための水合わせですが、水合わせもストレスになってしまうこともあります。そこで水合わせをするときに注意・意識しておきたいことなどポイントになることがあります。
素早く・充分に丁寧に行う
水合わせでは水を入れたり抜いたりという作業の繰り返しになります。こういった人為的行為は熱帯魚にとってはストレスです。水合わせはどのくらいやればいいのかというのは明らかな指標はありませんが一般的な熱帯魚なら30分から1時間程度と言われています。
私たちも病気できついときに室内で騒がれたり踊られたりするとかなりストレスですよね(笑)
水を足したり抜いたりするときも雑にならないよう、できるだけ静かに行いましょう。
ショップの水はできるだけ水槽に入れない
水合わせをしていけばショップの水の濃度はどんどん薄くなりますが、熱帯魚を水槽に移す際にはできるだけ水合わせに使った水が入らないようにしましょう。
ショップの水はしっかり管理されていると思いますが、入荷した熱帯魚が病気・菌を持ち込んで水槽内に菌が漂っている可能性もあります。水合わせに使った水はできるだけ水槽に入れないのが原則です。
水換えでストレスをできるだけかけない
できるだけ素早く、なおかつ充分に行う。
水換えに使った水はできるだけ水槽に入れない
こういった点を踏まえて、どんな水合わせ方法があるのかをみていきましょう。
水合わせ中のエアレーションは必要?
水合わせ中にはエアレーションが必要だというのが基本のようです。しかし水槽内の水には酸素が充分に含まれているはずです。その水を水合わせ側に入れていくので酸素が不足することはないと思うのですが、皆さんはどう考えますか?
水合わせに数時間かけるような場合はエアレーションは必要だと思いますが、エアレーションを効かせると水温も低下しやすくなります。せっかく温度合わせをしたのに水温が下がったら意味もないと思うんですよね。
ここらの考え方は個人差があるのでしょうが、私と同じような考えの方はエアレーションは不要でいいと思います。私はエアレーションをかけながら水合わせをすることはありませんがそれで失敗をしたという経験はありません。
エアレーションに関する詳しい記事はこちらから
↓↓↓
エアレーションの方法と効果!効果的なエアレ・隠れエアレも紹介
水合わせの方法を紹介
それではいろんな水合わせの方法をチェックしていきましょう。自分に合ったやりかた・やりやすいやり方・生体に合わせた水合わせの方法など参考になるものばかりです。文言ばかりが面倒な方はこのやり方を動画でアップしているので参考にしてみてください。
一般的な水合わせ法
まずは一般的によく行われている水合わせ方法を紹介します。この項の下に動画をつけているので参考にしてみてください。
袋ごと浮かべて水温・温度合わせ
まずは購入して袋で持ち帰った熱帯魚をそのまま水槽に浮かべます。そのまま30分程度浮かべておくと水槽と袋の中の水が同じくらいの水温になります。水温が同じになってから水合わせの作業を行います。
この作業は水合わせの中の”水温・温度”というひとつの水質の違いに慣らしていく作業なので、しっかり水温合わせは行いましょう。
水槽の水に慣らす・水を入れていく
この作業では主に水槽のphやその他水の性質に慣らしていく作業です。袋の水と熱帯魚をそのまま水槽に浮かべて作業してもいいですし、バケツに移して作業をしてもかまいません。
まずは袋・バケツのの中の水を1/3程度捨てて、捨てた水と同等量の水槽内の水をゆっくりと袋・バケツに入れます。そのまま5~10分程度置いて再び1/3の水を捨てて水槽の水を足して10分時間を置きます。この作業を3~6回程度繰り返します。
こうすることによって少しずつ水槽内の水質に近づいていくので急激な水質の変化を防ぐとことができます。
熱帯魚を水槽に入れる
水合わせが終わったら熱帯魚を水槽に移します。この手順ではいろんな方法が解説されていますが、一般的には袋・バケツの水はできるだけ水槽に入れない・熱帯魚だけを水槽に入れるとしたほうがいいようです。これはショップの水に入っているかもしれない菌・病気の流入を防ぐためです。
この手順を動画にしてみた
上記の一般的な水合わせ方法を動画にしてみました。上記文章だけではイメージがつきにくい場合は動画を参考にしてみてください。
より確実な点滴法
点滴法では一滴ずつ水を足していくので水質の変化がもっともゆっくりなので一番安全と思われる水合わせ方法です。この方法をやっていれば水合わせに失敗することはないでしょう。点滴法はサイフォンの原理を利用して行います。
点滴法のやり方
それでは点滴法のやり方を解説していきます。
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○水温合わせを終えたらバケツなどの容器に熱帯魚と水を入れて水槽よりも低い位置にバケツを置く
○エアチューブの片方の口に水槽の水に入れ込んで抜け出さないようにキスゴムで固定するかエアストーンなどの重りをつけておく。
○エアチューブのもう片方の口に一方コックを取り付けて、容器のほうに垂らしておく。キスゴムで固定するとチューブがバケツから出るのを予防できるのでなおよい。
○エアチューブの容器側の口を咥えてチューブ内のエアを吸う。チューブ内に水がある程度入ってきたらあとはサイフォン方式で水が流れ出てくるので容器にエアチューブの口を垂らす。
◎一方コックで入り込む水の量を調整する。
◎容器内に水が溜まってきたらその水を抜く。
〇あとは”◎”を30分から1時間繰り返していると、少しずつ水槽の水質に近づいていきます。水合わせができたと判断したら生体だけを水槽内に入れて終了。
一方コックが準備でいないときは洗濯ばさみなどでチューブをちょっとだけ挟んだりすることで水の量の調整が可能なので応用してみてください。
この流れを動画でまとめましたので参考にしてください。
点滴法のメリット・デメリット
点滴法は準備さえすればあとは確実に水が滴下していくので、水質の変化が少しずつなので熱帯魚に最もストレスのかからない水合わせ方法でしょう。熱帯魚への負担が少ないのは大きなメリットです。
ただしコックが開いている間は水が流れ続けるのでバケツから水があふれ出ないように注意しましょう。
また、点滴法では多少なりともアクアリウム用品が必要になってきます。いろいろ考えずに点滴法の水合わせの物品を準備したい・家にそんなに用品がないという場合は水合わせセットというものもあるので購入を検討してもいいでしょう。ただし物品がどうにかそろうようなときはわざわざ購入するほどのものでもなく代用できるものはいろいろあると思います。
水槽内浮かべ法
プラケース・虫かごなどを使って水槽内に浮かべて水合わせをする方法です。この方法ははじめに解説した一般的な水合わせ方法をさらに作業をしやすくした方法です。虫かごを使用した場合で説明したいと思います。
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○購入してきた熱帯魚と袋の水を虫かごに入れてフタを閉める。
○水槽に30分浮かべて水温合わせをする。
◎虫かごを取り出してフタの網目の隙間から水を1/3程度捨て、捨てた水の量と同じ分だけ水槽内の水を虫かごフタの網目の隙間から流し入れます。虫かごの片隅を水槽に沈めるようにすれば少しずつ水が流入してきます。
◎10分程度水槽に浮かべておいてまた1/3程度すてて1/3程度水槽の水を流入させます。
○“◎”の作業を3~6回程度繰り返すと水槽の水と虫かごの水の水質はほぼ同じになるので熱帯魚も水槽の水に慣れてきたころです。虫かごから熱帯魚だけを水槽に入れて終了です。
この方法は水槽の水流が強かったりすると虫かごが転覆してしまうこともあるので注意が必要です。
飼育水槽の水の方を合わせておく方法も
ちょっと極端な方法かもしれませんがかなり有効な水合わせ前の意識付けだとは思えることもあります
もともと飼育している水槽内の熱帯魚は環境に慣れているので多少phが変わったり水温が変化しても特に問題はありません。一方で購入して袋の中でかき混ぜられながらたどり着いた熱帯魚はすでに弱っており、さらに水合わせという作業で負荷をかけられることになります。
そこで購入前にやっておけることがあります。それは自宅の水槽をショップの水質に少しでも近づけておくということです。
購入するショップが決まっているのであれば、そのショップの水質(水温やph)の情報を聞いておいて自宅の水槽の水質をできるだけショップの環境に変えておきます。そうすることでお迎えした熱帯魚を水合わせするときに水質の変化が少なくなり、ストレスも少なくすることができます。
水合わせ後の注意点
水合わせを終えて私たちはホッと一息つきますが、お迎えした熱帯魚にはこれからもストレスはかかります。今までなかった水槽環境(流木や水草・混泳魚)に緊張していることでしょう。
熱帯魚にはまだしばらくはストレスがかかり続けることを意識しておきます。ストレスから体調不良を起こしやすいことは前述したとおりですが、お迎えして3日間程度は最低でもエサを与えるのはやめておいたほうが無難です。
水合わせをしないという人もいる!
これまで水合わせについて解説してきましたが、なかには“水合わせはしたことがない”というアクアリストもいます。水合わせをしなかったことが原因かどうかは分かりませんがお迎えしてすぐに死んだという熱帯魚もなかにはいるようですが、ほとんどの場合は水合わせしなくても問題なく成長しているということです。
私は水合わせをすることを推奨しますが、なかには水合わせをしなくても明らかなトラブルなく熱帯魚が成長・飼育できることもあるようです。
おわりに
今回はいろんな水合わせ方法を紹介してきました。水合わせの対象となる熱帯魚も大小さまざまだと思いますが、大きな熱帯魚なら一般的な方法で行うことが多いようです。行きつけのショップでは大型魚の入荷の際の水合わせはかなり大雑把な水合わせ方法をしてありました。
やはり体のサイズは丈夫さも異なってくるので熱帯魚に合わせた水合わせ方法をするようにしたほうがよさそうです。
とくにレッドチェリーシュリンプなどシュリンプの種類は水質の変化に極端に弱いので、点滴法でゆっくりと水合わせをしましょう。水合わせに極端に時間をかけたい場合はエアレーションをかけることも念頭に置いたほうがいいかもしれません。
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