上部フィルターは濾過能力も高くおすすめできるフィルター。
特徴もメリット・デメリットを参考にしてわかりやすく紹介します。
メリット・デメリットから見えてくる上部フィルターの特徴!
上部フィルターはアクアリウムのフィルターの中でも知名度が高く初心者から経験者まで幅広いアクアリストに愛用されているフィルターです。
そんな上部フィルターですが、やはり万能ではなくメリットもあればデメリットもあります。上部フィルターの特徴などをメリット・デメリットからまとめました。
その他上部フィルターを利用するにあたり必要・参考となる内容を多く網羅しております。ぜひ最後まで読んでいただけたらと思います。
上部フィルターとは。上部フィルターの仕組み
上部フィルターとは水槽の上部・縁に乗せるようにして設置するもです。
下の画像が参考になると思いますが、ポンプを利用して水槽の水を水槽上部の本体に組み上げて、濾過槽のろ材に通水させて、濾過槽に溜まった水が水槽内に戻るような仕組みになっています。
上部フィルターの種類は2つに大別
上部フィルターも各社から販売されていますが、主な構造から水中モータータイプと水上モータータイプの2つに大別できます。それぞれどのような違いがあるのかチェックしてみましょう。
水中モーターの特徴
水中モータータイプは下の画像のようにモーターが水中にあるタイプのものです。
水中モーターは水中にモーターが存在するのでモーターの動作音が水に吸収されて音が目立たなくなります。
しかし一方でモーターの発する熱も飼育水が吸収してしまうので多少は水温を上昇させる原因となるというデメリットがります。
また、音が水に吸収されるので私たちにとっては静音化できるのですが、熱帯魚などにとっては騒音が大きくなりストレスがかかっている可能性は否定できません。
水上モーターの特徴
上部フィルターでは水上モータータイプのほうが種類が多いような印象です。下の画像のようにモーターは水上に設置するタイプです。
さて、水上モータータイプの特徴としてはやはりモーターの音が水中タイプよりも目立ってしまうことです。しかしモーターから発生する熱が発散しやすいのでモーターへの負担も少なく、水温を上げる原因にもなりません。
しかしトラブルの可能性があることといえば、水上モーターは当然防水加工がされていません。滅多に起こることではないと思いますが、メンテナンス中にモーターが水中に落下して故障することもあります。私はやってしまいました…
水中モーターと水上モーターどちらを選ぶ?
水中か水上かで特徴が異なってきますが、より静かなアクアリウムを楽しむなら水中モータータイプでしょう。
とはいえ上部フィルターの多くは水上モータータイプなので、基本的にはモーターの位置よりも「どんなフィルターを使いたいのか」というところがメインとなってくるでしょう。
上部フィルターで主に使われるろ材
上部フィルターで各社共通して主に利用されるろ過は”物理ろ過と生物ろ過”の2つです。
ウールマットは純正のものもあれば自分で好きな形にカットできるタイプのものもあります。生物ろ過に使うろ材はマット状のものがあったりもしますがリングろ材などを利用してもいいですね。
なかには活性炭マットを間に挟むタイプの上部フィルターもあります。購入時の純正のろ材としてはこのようなろ材を利用します。
物理ろ過に関する詳しい記事はこちらから
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【アクアリウム初心者必見!】アクアリウムにおける物理ろ過を解説!
上部フィルター最強のろ材の入れ方・順番
上からウールマット、粗目マット、リングろ材。マットとリングの間にブラックホールなどの活性炭などの吸着ろ材の順番がおすすめ・最強でしょう。
始めから吸着ろ材がセットされている上部フィルターなら、そのろ材の寿命がきてからブラックホールを利用してみてください。
ブラックホールの効果と実際に利用してみた検証の記事はこちら
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ブラックホールとは!効果も検証してみた!黄ばみ・アクを吸着除去
上部フィルターには純正のウールマットやろ材などを利用すれば、いくらか費用がかかるものの手軽に濾材の交換やメンテナンスができます。
多くの場合は純正の濾過マットやろ材を利用するよりも、コスパを優先して汎用のウールマットや長期間使いまわせるリングろ材を利用していることも多いようです。
上部フィルターのろ材の種類や入れ方などについての、より詳しい記事はこちらから。
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上部フィルターろ材の種類。最強・おすすめのろ材の組み合わせ!
上部フィルターのメリット・デメリットから特徴を理解する
上部フィルターのメリットやデメリットを理解することで特徴も自然とみえてくるものです。メリットだけではなくデメリットもしっかり把握して上部フィルターの特徴を掴みましょう。
上部フィルターのメリットから見えてくる特徴
まずは上部フィルターが選ばれている理由。上部フィルターのメリットからみていきましょう。メリットから見えてくる特徴は次のようなものがあります。
高いろ過能力
上部フィルターの種類にもよるかもしれませんが、上部フィルターの濾過層は広いため多くのろ材を入れることができます。
ろ材の量だけなら外部フィルターには劣るかもしれませんが、次で解説する【メンテナンス】が楽であるということもあり、ろ過能力は外部フィルターに劣ることはないでしょう。
普段のメンテナンスが簡単
上部フィルターの普段のメンテナンスは、ろ材の一番上にセットしているウールマットの洗浄のみです。
上部フィルターは本体のフタを開けるのも容易で、ふたを開ければウールマットの汚れ具合が一目瞭然です。汚れが目立てばすすぎ洗いをすればいいので、すすぎ洗いのタイミングもとても分かりやすい特徴があります。
ウールマットの取り出しも簡単ですし、すすぎ洗いも簡単です。ウールマットに付着するフンをこまめに落とせるため、ろ材の通水性が保たれやすく、結果的に高いろ過能力が維持できるという特徴があります。
効率良くエアレーションも兼ねる
エアレーションとは空気・酸素を飼育水に取り込んで酸欠を防ぐためのものです。エアレーションは”ブクブク”を使わないといけないイメージを持つ人もいるかもしれませんが、そうではありません。
エアレーションに関する詳しい記事はこちらから
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エアレーションの方法と効果!効果的なエアレ・隠れエアレも紹介
上部フィルターでは水が汲み上げられてウールマットに流れ落ちるときと、排水・吐水口から水が水槽に落ちるときにエアレーションができています。
よほど飼育数が多い、過密な水槽でない限りは上部フィルターだけのエアレーションで熱帯魚が飼育できないということはないでしょう。上部フィルターにはエアレーションを効率的に行えるという特徴があります。
上部フィルターではろ材を選べる・カスタマイズも
前述していることもありますが、上部フィルターは濾過層が広いため純正以外のろ材を利用することも可能です。
純正のろ材の寿命がきて取り換える際には、生物ろ過を強化したければリングろ材を多く入れたり、吸着ろ過を強化したりすることができます。
自分のアクアリウムの環境に合わせて濾材をカスタマイズ・選べる特徴があります。
上部フィルターのデメリットから見えてくる特徴
私からいえばメリットよりもデメリットに注目すべきです。デメリットを理解しておかないと上部フィルターを選んで失敗してしまうことになりかねません。
水の音が気になることも
上部フィルターに限ったことではありませんが、アクアリウムではどうしても水が流れる・水面に落ちる音が気になるという人もいます。
水の音もアクアリウムの良さのひとつとも言えるのですが、あまり興味のない人からすれば心地いいものではないこともあるでしょう。
このようにどうしても水の音が出るという特徴があります。
水槽上部が狭くなる・水槽内の掃除がしにくい
上部フィルターは水槽上部に本体を設置するため、一般的な水槽なら下の画像のように水槽上部の半分程度を、上部フィルターが占領することになります。
そのためガラスのコケ掃除や底床のメンテナンスの際に、上部フィルターが視界を遮ったり掃除がしにくかったりする特徴があります。
上からの鑑賞が制限される
アクアリウムは正面から楽しむものとは限りません。金魚やメダカ、その他の熱帯魚や水草の育成でも水槽上部から眺めるという楽しみ方もあります。
しかし上部フィルターで水槽上部の半分が塞がれてしまうため、上部からの観察がしにくくなる特徴があります。
二酸化炭素を逃がしやすい
水草水槽などで二酸化炭素の添加をしている場合、エアレーションをしていると水中の二酸化炭素量が減少してしまいます。
上部フィルターはエアレーションも兼ねるため、このように二酸化炭素を逃がしてしまうという特徴があります。
フレームのない水槽には不向き
上部フィルターは水槽上部に置きますが、フィルター本体が水槽上部に安定して設置できなければ水槽に落ちるという事故につながります。
フレーム水槽なら問題ないのですが、オールガラス水槽では上部フィルターを安定して設置させることが困難という特徴があります。
水位が低いと水のくみ上げができない
水槽に溢れんばかりに水を入れている人は少ないと思います。ちょっとしたことで水がこぼれてしまいますし、熱帯魚の飛び出し事故も起こりやすくなります。また地震対策としても水をギリギリまで入れることは水漏れのリスクが高くなります。
上部フィルターではある程度の水位がないと水を濾過槽に組み上げることができません。
水位が低い分に関しては自分の好みの水位にできないことが残念な特徴です。
給水・排水の位置が調整できない
上部フィルターは本体の両隅に給水口と排水口があります。そのため“排水の向き”くらいは変更できますが、好きな場所に排水することができませんし、もちろん好きな場所から吸水できるということがない特徴があります。
上部フィルターは生体飼育メインのアクアリウムにおすすめ!
上部フィルターのメリットにはろ過能力が高いということや、メンテナンスしやすいエアレーションができるというものがありました。
上部フィルターのメンテナンスしやすいということとエアレーションができるというのは、熱帯魚・金魚などの生体の飼育をメインとするアクアリウムにはおすすめです。
熱帯魚が生きていくにはエアレーションが必要ですし、フンが多くなってくるのでメンテナンスしやすく、ろ過能力の高い上部フィルターがぴったりです。
とくにフンが多い金魚やプレコ、中型~大型魚までの飼育におすすめできます。
上部フィルター以外がおすすめのアクアリウム
上部フィルターがとくにおすすめできないアクアリウムは“水草水槽”です。エアレーション効率が良いばっかりに二酸化炭素が抜けやすいため、二酸化炭素を添加している水草水槽にはおすすめできません。
これは水草レイアウト水槽の水景ですが、こんな美しい水景に上部フィルターが乗っかっていたり、水槽の中にパイプが入り込んでいたら台無しですよね。
二酸化炭素が抜けることはもちろんですが、このように外観を壊してしまうという点でも上部フィルターはおすすめできません。
上部フィルターのメンテナンスについて
各社でおすすめされているメンテナンスの推奨期間などは見たことがありませんが、上部フィルターの普段のメンテナンスは週に一回程度、ウールマットをすすぎ洗いするだけで充分です。濾過槽・その他のろ材のすすぎ洗いは多くても3か月に1回もすればいいです。
上部フィルターへのフンやゴミの流入が少なければメンテナンスの間隔は長くなり、メンテナンスの頻度が少なくなります。
メンテナンス頻度が少なくなれば飼育者の負担も減りますし、ろ材をすすいだ時に濾過バクテリアが減少するという機会も少なくなり、水質が安定しやすくなります。また、水槽をガチャガチャ扱うと生体へのストレスにもなるので、生体にも優しい飼育ができます。
私の水槽では30㎝程度までの熱帯魚を飼育しているのですが、フィッシュレットの利用をしていますし、上部フィルターへのフンの流入を防ぐためにプレフィルター・スポンジを利用しています。
そのためか私のアクアリウムでは半年に1回程度のろ材・濾過槽メンテナンスだけでとくに不具合は起こっていません。
フィッシュレットに関する記事はこちらから
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フィッシュレットの効果や使い方。ザリガニや改造でメンテも楽に。
上部フィルターの工夫・改造や自作も人気!
アクアリウムでアクア用品の改造や自作は多くの人が一度は考えるものではないでしょうか。そんな上部フィルターの改造を紹介します。
詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
↓↓↓
動画・画像付き!上部フィルターを簡単改造で過能力をアップさせる!
ここでは比較的簡単にできるものを一つだけ紹介したいと思います。
上部フィルターの改造・カスタマイズの一例
上部フィルターは濾過能力が高いのはうれしいのですが、“濾過槽にもっと水を貯めたい”と思ったことはありませんか?
水量が多ければろ材もより多く入れることができまが、カスタマイズ・改造しなければろ材が水から出てしまいますね。そんな時にやっておきたいお手軽なカスタマイズ方法です。
次の動画をチェックしてみてください。
いかがでしたでしょうか。やっていることはとても簡単です。
上部フィルターの排水パイプにカットしたペットボトルを丸めて突っ込むだけですね。もっとしっかりしたい人は塩ビパイプなどを差し込んでもいいでしょう。
ちなみに私は塩ビパイプというかプラスチックの筒を通して、濾過槽の水の水位を上げています。
小型水槽でも使える上部フィルター
上部フィルターは小型水槽でも充分効果を発揮します。とはいえやはりサイズには限界があるようです。
現在存在する上部フィルターで最も小型なものに対応しているのは30㎝水槽までです。小型水槽はもともと上部スペースも狭いので、上部フィルターを設置する際はさらに狭くなってしまうことを考慮しておきましょう。
30㎝水槽に適合するフィルターは一台のみで、水作社の“エイトブリッジ フリーS”というものです。奥行きが10センチあるので購入をする際はどのくらいの上部スペースが確保できるのか確認しておきたいですね。
上部フィルターと外部フィルター。ろ過が強力なのは?
上部フィルターの濾過能力が高いと言っていますが、ろ過能力が高いのは“外部フィルターだろ!”と言いたい人もいることでしょう。
実際のところ、同じ60㎝用の上部フィルターと外部フィルターでは明らかに上部フィルターのほうがろ材がたくさん入ります。
「じゃぁ外部フィルターが最強でいいんですね!」といわれると「そうとは言い切れない」と言いたい。
ろ材が多ければろ過能力が高いのかというと一概にそうとは言えません。外部フィルターはエアレーションをかけないように作られた密閉式のフィルターです。
つまりエアレーションを市なければ酸素の量はどうしても不足してしまいます。これは、ろ材に定着しているバクテリアへの酸素供給も不足しがちになるため、バクテリアの活性化に関してはあまり高くはないと考えます。
一方で、上部フィルターはエアレーション能力に長けており、ろ材が少なくてもろ過バクテリアの活性化に関しては上部フィルターのほうが上だと言えるでしょう。
例えるなら“大軍隊の元気のない濾過バクテリア”か、“少数編成だが元気のいい濾過バクテリア”とでも言いますか…
絶対上部フィルターがろ過能力が高いとはいえませんが、上部フィルターでも充分なろ過能力があると思います。
なんだかんだ言いましたが、ろ過能力はメンテナンスさえしっかりしていれば外部フィルターでしょう(;^_^A
おすすめの上部フィルターは?選び方は?
正直、上部フィルターはどれもほとんど同じ構造なのでどれでもいいです。メンテナンスをちゃんとしていれば本当にどれを選んでもいいですし、どんなに高性能っぽいものを選んでもメンテナンスをしなければうまく機能しません。
選び方の参考としてはモーターが水上にあるか水中にあるか、どちらが好みかというところでいいでしょう。あとは濾過槽の容量です。容量が大きいほうが濾材もたくさん入ります。
60㎝規格の上部フィルターだけは、唯一おすすめできるものがあります。それがグランデカスタム600という上部フィルターです。
本体サイズは大きいですが、ウェット&ドライの濾過ができるところがおすすめです。詳しくはこちらを参考に。
↓↓↓
60cm水槽でおすすめしたい上部フィルターはこれ!
私は外部から上部フィルターへ変更しました
以前は水草水槽をメインでやっていたのですが、プレコの飼育をしたくなったために水草水槽をやめてプレコ水槽を始めました。外部フィルターが最強だと思っていたのでそのまま外部フィルターを利用していました。
しかしプレコやそのほかにも熱帯魚を多く飼育していると、どうしてもフンの量が多くなります。
外部フィルターでもフンも吸い込んでくれますが、ウールマットがフンやゴミなどで目詰まりを起こしやすいのでメンテナンスの機会が増えてしまいます。
メンテナンスが必要だと思っていても、外部フィルターのメンテナンスはどうしても手がかかる・面倒なものです。そういった点もあって、メンテナンスメンテナンス期間が開いてしまいますよね。
そうなるとろ過能力の高い外部フィルターであっても効率的に濾過機能が働かないのも当然です。そこでいろいろ調べてみた結果、メンテナンスがやりやすくて濾過能力も高いのが上部フィルターというところに行きつきました。
今後熱帯魚メインのアクアリウムを続けていくのなら上部フィルターのほうが効率的で、メンテナンスのストレスも少ないと感じたのです。
上部フィルターに変えて感じたメリット
私は上部フィルターに変更をして大いに満足しています。外部フィルターを使ったことがある人ならわかると思いますが、「外部を毎週~2週に1回メンテナンスする」というのは非常に苦になることだと思います。
目詰まりするウールのメンテナンスだけでいいのに、外部はワザワザ給水・排水パイプの着脱なども必要となるため本当に大変です。上部フィルターに変更することで思った通りでしたが、メンテナンスが容易になってストレスなくアクアライフを送ることができています。
メンテナンスが苦痛になってくるとアクアリウムのモチベーションも低下することにもなりますね。楽しいから続けられるのだと思います。本当に良かったと思っています。
おわりに
今回はアクアリムの上部フィルターの基礎知識やメリット・デメリットからわかってくる特徴を紹介してきました。
皆さんはどんなフィルターを使っていますか?上部フィルターはおすすめできるフィルターですが、どんなフィルターにも一長一短あるものです。今利用しているフィルターを突き詰めていくのも楽しいものだと思います。
最後になりましたが、上部フィルターを選ぶときにはデメリットをとくに把握して選んでくださいね(^^♪
最後まで読んでいただいてありがとうございます!(^^)!
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