GEXのグランデ900を使っていて、「ろ材を増やしたい」「ポンプを強化できないか」「90cm水槽でもっとろ過能力を高めたい」と考える人は少なくありません。上部フィルターはろ過槽へ直接アクセスできるため、外部フィルターなどと比べてもろ材構成を調整しやすいのが特徴です。
ただし、グランデ900の改造では、ろ材を大量に詰めたり、単純に強力なポンプへ交換したりすれば性能が上がるとは限りません。通水性を損なうと流量低下や目詰まりにつながり、ポンプの流量を上げすぎると排水が追いつかなくなる可能性もあります。
この記事では、グランデ900のろ材を使った改造、物理ろ過と生物ろ過の強化、ろ材の入れ方、ポンプ改造を考える際の注意点、やってはいけない改造までまとめて解説します。
グランデ900はどこを改造できる?
グランデ900で最も取り組みやすいのは、本体を加工することではなく、ろ過槽内部のろ材構成を調整する方法です。物理ろ材と生物ろ材を役割ごとに配置し、十分な通水性を残しながらろ材を追加することで、メンテナンス性を維持したままろ過構成を整えられます。
一方、本体への穴あけや切断、排水経路の大幅な変更、適合を確認していないポンプへの交換はトラブルの原因になります。まずは元に戻せる範囲の調整から始めるのが基本です。
製品を問わない基本的な改造方法については、上部フィルター改造の完全ガイドも参考にしてください。
改造前に純正状態の水の流れを確認する
ろ材を追加する前に、正常な状態でどの程度の水量がろ過槽へ入り、水槽へ戻っているかを確認しておきます。改造後に流量が落ちた場合、元の状態を把握していなければ異常かどうか判断しにくくなるためです。
ろ過能力は、ろ材の容量だけでは決まりません。ろ材の表面へ水と酸素が届くことが重要なので、ろ材を詰め込んで水が通らなくなると、追加した意味が薄れます。
ろ材を入れるための空間と水路を分けて考える
ろ過槽に空間があるからといって、すべてをろ材で埋める必要はありません。水が流れる経路、排水部分、メンテナンス時に手を入れる余裕を残します。
ろ材を入れすぎた時の問題と適正な詰め方も確認しておくと、改造時の失敗を避けやすくなります。
改造方法1:ウールマットで物理ろ過を強化する
魚のフンや餌の食べ残しなど、大きな汚れを捕まえるのが物理ろ過です。グランデ900のろ過槽を調整する場合も、最初に汚れを受ける部分を整えると、その後の生物ろ材へ大きなゴミが入りにくくなります。
市販の上部フィルター用マットやウールマットを利用できますが、厚く重ねすぎると目詰まりしやすくなります。新品時に水が通っていても、汚れを含むと抵抗が増えるため、余裕のある厚みにしてください。
物理ろ材は取り出しやすさを優先する
物理ろ材は頻繁に汚れるため、生物ろ材を全部動かさなくても取り出せる位置が向いています。掃除しやすい構成にすると、目詰まりを放置しにくくなり、結果として安定した流量を維持しやすくなります。
改造方法2:リングろ材などの生物ろ材を追加する
ろ過槽に余裕があれば、リング状や多孔質の生物ろ材を追加する方法があります。生物ろ材は、アンモニアなどの処理に関わる微生物が定着する場所を確保するために使います。
90cm水槽では飼育する魚の種類や数によって負荷が大きくなることがありますが、生物ろ材を増やせば過密飼育を補えるわけではありません。ろ材追加と同時に、給餌量、水換え、飼育密度も確認する必要があります。
ろ材ネットを使うとメンテナンスしやすい
リングろ材などは、ろ材ネットにまとめると取り出しやすくなります。ただし、ネットへ強く詰め込むと内部へ水が流れにくくなるため、ある程度余裕を持たせます。
生物ろ材はウールマットのように頻繁に新品へ交換する必要はありません。汚れが目立つ場合は、飼育水などを利用して軽く汚れを落とし、一度にすべてのろ材を交換するような管理は避けます。
改造方法3:物理ろ過と生物ろ過を分ける
グランデ900のろ材構成を考える時は、単に「高性能とされるろ材をたくさん入れる」のではなく、役割を分けることが重要です。
水が入ってくる側で大きなゴミを物理ろ材に捕まえ、その後に生物ろ材へ水を通す構成を基本にすると、生物ろ材へフンや餌の残りが入り込む量を抑えやすくなります。
ろ材の順番は水の流れる方向で決める
ろ材の順番は、見た目の上下だけではなく、実際の水流を基準に考えます。水が最初に接触する部分で大きなゴミを捕まえ、その後に生物ろ材へ流すのが基本です。
ろ材の種類を選ぶ場合は、上部フィルターにおすすめのろ材と選び方も参考になります。
活性炭などの吸着ろ材を追加する場合
水の黄ばみやにおいが気になる場合は、活性炭などの吸着ろ材を必要に応じて使えます。ただし、吸着ろ材は生物ろ材とは目的が異なり、一定期間使用すると吸着能力が低下します。
空いている場所を埋める目的で常時大量に入れるのではなく、「黄ばみを取りたい」「においを抑えたい」など目的を明確にし、製品ごとの交換時期に合わせて使用してください。
グランデ900のポンプを改造・強化できる?
「グランデ900 ポンプ 改造」で調べる人が気になるのは、ポンプの流量を上げればろ過能力も上がるのかという点でしょう。しかし、ポンプだけを強力にすれば必ず性能が向上するわけではありません。
ろ過槽と排水経路には処理できる水量があります。想定以上の水量を送り込むと、ろ過槽の水位が上がったり、水が本来想定していない場所へ回ったりする可能性があります。
まず純正ポンプの流量低下を疑う
以前より流量が弱くなったためポンプ強化を考えている場合は、先に純正ポンプの状態を確認します。吸水部の汚れ、インペラー周辺の汚れ、マットの目詰まり、ろ材の詰めすぎなどでも流量は低下します。
水槽フィルターの流量が弱くなった原因と対処法を確認し、正常な流量へ戻せないか試してください。
流量を上げるほど良いわけではない
ポンプ流量を増やすと、ろ材を通過する水量が増える一方、排水能力とのバランスが崩れる可能性があります。また、飼育魚によっては水流が強すぎることもあります。
そのため、ポンプ交換を検討する場合は、取り付けられるかどうかだけでなく、ろ過槽の処理能力、排水能力、水槽内の水流まで含めて判断する必要があります。
水中ポンプ化という方法もある
上部フィルターでは、構造や目的によって水中ポンプを利用する改造が検討されることがあります。ポンプ周辺の構成を変えられる可能性がありますが、適合確認や流量の調整が必要で、単純なろ材交換より難易度は高くなります。
水中ポンプ化を検討する場合は、上部フィルターを水中ポンプ化する方法でメリット・デメリットと注意点を確認してください。
改造後に確認するポイント
ろ材やポンプ周辺を変更した後は、電源を入れて終わりではありません。しばらく運転し、正常に水が循環しているか確認します。
- ろ過槽の水位が異常に上がっていないか
- 水槽へ正常に排水されているか
- 流量が極端に低下していないか
- マットがずれて排水経路をふさいでいないか
- 異音や振動が増えていないか
特にウールマットは汚れると通水性が変わるため、改造直後だけでなく数日後にも確認します。
グランデ900改造でやってはいけないこと
改造の目的は、ろ材をできるだけ多く入れたり、最大流量を目指したりすることではありません。安定して水を循環させ、メンテナンスできる状態を作ることが重要です。
ろ材を隙間なく詰め込む
ろ材を増やしすぎると、水が流れにくくなります。特に細かなマット類を何層にも重ねると、汚れた時に急激に通水性が低下することがあります。
排水経路をろ材でふさぐ
排水部分までろ材を詰めると、水位上昇やあふれにつながる可能性があります。ろ材の量よりも、水が確実に戻る経路を優先してください。
適合を確認せず強力なポンプへ交換する
取り付け可能であっても、流量が適切とは限りません。純正より大幅に高い流量を送れば、ろ過槽側が処理できない可能性があります。
本体を大きく切断・穴あけする
本体加工は、水漏れや強度低下、メーカー保証への影響につながる可能性があります。元に戻せるろ材調整で目的を達成できるなら、大掛かりな加工は避けたほうが安全です。
ろ過能力不足は改造だけで解決しない
90cm水槽で水が汚れやすい場合、フィルターだけが原因とは限りません。魚の数、魚の大きさ、餌の量、水換え頻度、底床の汚れなども水質へ大きく影響します。
特に大型魚や排泄量の多い魚を多く飼育している場合は、ろ材を増やすだけで対応するのではなく、飼育密度やメンテナンス頻度を含めて見直す必要があります。
水換えは必要
生物ろ材を増やしても、水換えが不要になるわけではありません。ろ過バクテリアによる処理と、水槽から不要物を排出する水換えは役割が異なります。
グランデ900を改造した後も、飼育している魚と水槽の状態に合わせて定期的な水換えを続けてください。
初心者におすすめの改造手順
初めてグランデ900を改造するなら、最初からポンプまで変更する必要はありません。まず純正状態の流量を確認し、物理ろ材を掃除しやすい構成に整えます。
次に、ろ過槽の余裕を見ながら生物ろ材を少しずつ追加します。変更後は流量とろ過槽の水位を確認し、問題がなければその状態でしばらく運転します。
ポンプについては、純正ポンプを清掃しても明らかな不足があり、なおかつ交換後の流量と排水能力を確認できる場合に検討します。一度に複数箇所を変更しないほうが、トラブルが起きた時に原因を特定しやすくなります。
まとめ
GEXグランデ900の改造では、まずウールマットなどの物理ろ材とリング状の生物ろ材を役割ごとに配置し、通水性を確保しながらろ過構成を整える方法が取り組みやすいです。
ポンプ改造・強化については、流量を上げれば必ずろ過能力が上がるわけではありません。先に純正ポンプや吸水部の清掃、ろ材の目詰まり、詰めすぎを確認し、正常な状態へ戻すことを優先します。
ろ材の入れすぎ、排水経路をふさぐ配置、適合を確認しない高流量ポンプへの交換、大掛かりな本体加工は避けましょう。ろ材量と流量のバランスを保ち、掃除しやすい構成にすることが、グランデ900のろ過能力を安定して引き出すポイントです。